心理学科

卒業生インタビュー

増田 康祐さん

大学院心理学専攻修了
株式会社 U’eyes Design
2014年修了(2014年4月入社)
ゼミ:芳賀ゼミ

増田 康祐さん

大学院への進学について意識したのはいつ頃でしたか。

大学院に進もうかなということは割と早い段階から考えていました。2年生の実験調査研究の時、面白いなと思って大学院という選択肢も1つだと思い始めました。僕が学生の時は3年生の夏位から就職活動が始まっていて、その流れで普通に就活もしていましたが、やっぱりもっと勉強をしてみたいと思い始めました。その当時は心理学が開発やデザインの仕事に活かせるのではないかと思っていて、そういう仕事がしたいと考えて就活していたんですが、やっぱり学部卒では難しい事を感じて、大学院に進学したいと強く思うようになりました。3年生の後期位に芳賀先生に相談をして進学を決めました。ゼミが芳賀先生のゼミだったので、大学院に進むなら心理学専攻と決めていました。

大学院時代の研究テーマは何だったのでしょうか?

大学院の時は歩きスマホの研究をしていました。ちょうど僕が大学院の時がガラケーからスマホに移行するくらいの時期で、歩きスマホの事故が発生し始めて、なんか危険じゃないかと考えたんです。今みたいにCMで歩きスマホが危険ですと放送しているような時代ではまだなかったので、そういう時に歩きスマホがどの位危険なのかを実験で検証する研究をしていました。人の注意というのは資源があって、その割合でしか配分できないからとか、視覚や聴覚、感覚の話など面白い研究をしていたなと思いますね。

今の仕事内容はどのようなものですか?

デザインコンサルティング部に所属していて、主にリサーチを担当し、生活者の視点でのサービスや製品のデザイン・リサーチ業務を行っています。サービス・デザインの対象の幅はわりと広くて、自動車のリサーチ、ITやスマホのアプリなどのリサーチ・デザインを行っています。一般の人が普段使うことのない業務用の機器のデザインも担当したこともあります。今はボランティアの方が使うシステムのUI(ユーザーインターフェイス)を改善していく仕事や防災関連のシステムをユーザーの方にとって使いやすいシステムに開発をしていくお手伝いをしています。

どうして今のお仕事を選んだのですか?

先ほど少しお話しましたが、大学・大学院の時に心理学とか統計の知識はもっとサービスやデザインとか製品の開発に活かせるなと考えていて、ただデザインをするだけの会社ではなくて、根拠をもってデザインをしている会社で働きたいなと考えていました。そういう企業を探していく中で今の会社との出会いがありました。デザインの為のリサーチを行って、そこから生活者にとって使いやすいとか本当の価値のあるデザインにしていくということをしていたので、そこに強く共感をしてこの仕事に決めました。

今の仕事のやりがいはどのような事ですか?

そうですね。楽しいなという風に感じるのは何か使いにくかった物とか、しにくかった事が自分のリサーチによっていいものに変わっていくというところでしょうか。リサーチ結果が直接すぐ社会にリリースされたりはしないですが、社会がよくなっていくというか、そういうところを感じられています。
あとは色々な領域に携れることです。今は自動車の業務や防災系の業務の他にボランティア向けのサービスのデザインに携っています。それぞれ全く違う業務ですが、どの領域にもユーザーの方がいて、その人たちはどういう風に考えるのか、その人達にとってはどういったサービスがいいのだろうかということを考えること自体がすごく楽しくて、そういうふうに考えながら色々なものに触れられるというのがやりがいなのかもしれませんね。

どのように就職活動をされたのですか?やりたい事が決まっていらっしゃったようで、その分の大変さはありませんでしたか?

今の会社のような企業がそもそも少ないので、見つけるのが大変だったということはあります。新卒採用をしている会社が少なく、中途採用限定という企業も多かったので、そういう点では大変でした。ただ大学院に入ることを決めて心理学を活かした仕事をしたいと思った時からどういう会社があるのか、企業の事業内容を知って興味を持ったりしていました。学会に参加した時に「こういう会社が学会で発表しているんだ」と知る事もありました。また、周囲に自分のやりたいことの話をすると「こういう会社がある」と教えてくれたこともあり、自分の興味があるところに行って色々な人の話を聞いて、活動をしました。今の会社には社会人向けの講演に参加をさせてもらい、「就職活動をしていて是非、履歴書をみてください」と伝えたことがきっかけで入社しました。

大学時代に学んだこと、経験したことで今の仕事に生きていると思うことはどのようなことですか。

大学時代に勉強した心理学の知識や統計学の知識はそのまま生かせているかなと感じていますね。心理学科を卒業して、その知識がそのまま活かされるというのはあまり無いと思いますが、自分が携っているデザイン・リサーチの仕事は人間の心理を考えて「なんでこう行動するのか」ということを考えたりするので、認知心理学とか統計学とか人間工学とかといった専門知識が活かされていると思います。特に防災のシステムを作るにあたって、その辺も考慮しないといけないところがあります。例えば正常性バイアスという、火災が起こった時に、とっさに火災なんて絶対に起きないと思ってしまってうまく行動ができないという心理状態があります。だからそれを踏まえてデザインとしてはどうしないといけないかという話をすることができる。そういうところで人の心理特性や行動特性を知っているとういうことがデザインにも生かされているかなと思いますね。製品とかサービスを考える時に人間の視点で考えることができる。人間は失敗する生き物だからエラーが許容できるようなデザインにしないといけないよねとか、失敗しないように別の方法考えないといけないよねという風に。そのサービスや製品視点だけではなくて使う側の視点で考えることができるというのは心理学を勉強していた強みだなと思っています。芳賀先生に教えていただいたことが、すごく生きていると思います。

後輩へのメッセージをお願いします。

学生時代は時間がたくさんあると思うので色々学べること沢山学ぶといいかなと思いますね。心理学は専門知識としてなかなか活かしづらい部分はあると思いますが、すごく楽しい学問だと思うので存分に学ぶといいかなと。あと一つは僕みたいに心理学がバックグラウンドにあって、そこからデザイン系の仕事をしている人はまだまだ少ないと思いますが、僕自身が実際に経験してみて可能性としてはすごくあると思っているので、心理学を勉強していてデザインに興味がある人がいれば是非、一緒に働きたいなとか、こういう業界を目指して欲しいなと思っています。

大学院の進学を迷っている学生に向けてのメッセージをお願いします。

自分がやりたいことを明確に考えた時に、大学院に進学をした方が自分の学問が広がる可能性があるのであれば進学を決めた方がいいかなと思います。
特に研究を続けて研究者になりたいとか、心理学の知識を活かして仕事をしていきたいと考えている人には大学院という選択するとその先の可能性が広がってくるのでいいかと思います。
ただ、なんとなくの進学ではその先の可能性を狭めることになります。文系の大学院だと就職活動は一般の就職活動とは違ってくるので、そういったメリットデメリットをしっかり見据えて、それでも行きたいという時に行くべきかと思います。

*所属や業務内容は2017年取材時点のものです。

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