立教大学映像身体学科・2016年度の「専門演習L1/L2」を履修した3年生が実習作品として、 埼玉県の3地域に関する《歴史や産業・特色》をテーマに、ハイビジョン映像でのシリーズ作品を制作した。

取り上げた地域は、細川和紙の生産地として無形文化遺産にも指定された比企郡小川町の周辺、 小江戸として近年注目を集める川越(その特産品としてのサツマイモ)、 東武スカイツリー線沿線のベッドタウンとして発展を遂げる草加市と綾瀬川の周辺の三つ。

いずれも、すでにテレビや雑誌の特集などには頻出している地域で、 新たに大学生がオリジナルの映像作品で取り上げる要素を発見することができるのかどうか、 最初はやや不安なまま取りかかった。Webやパンフレットなどでの下調査を重ね、電話をかけ、 現地へのロケハンをし、本番の撮影に臨んだ。取材は順調に進んだわけではなかった。 天候の問題もあるし、取材先の都合に合わせざるを得ないケースもあった。 一回ではうまく撮影が終わらず、幾度か繰り返しの撮影をせざるを得ないことももあった。 最近ではテレビのドキュメンタリー番組もさまざまな手法を案出し、 同じようなことを大学生が真似ようとしてもそううまくはいかない。 風景ひとつを収めるにしてもカメラをどの位置に据えて、どういうタイミングで録画スイッチを押すかすかは 決して一筋縄ではいかないものだ。だからこそ実習制作としての訓練の意味がこもる。 編集も同じように試行錯誤の繰り返しだった。 録画された要素をベースに、ひとつの事実を提示し説明し、見る人を理解に導くということを丁寧に考えないと 数分の長さすらコンテンツとして成立させることはできない。
そうした思案を重ねながら出来上がった掌編をご覧頂きたい。カメラアングルの作り方、エピソードの語り方、 ナレーションの日本語としての正確性、字幕テロップの読みやすさや統一性、音楽のはまり具合など、 細々とした点にも目配りを頂ければ幸いです。
また、この場を借りて、学生たちの取材・撮影にご協力を頂いた多くの皆さま方に、厚く御礼を申し上げます。
   
立教大学映像身体学科教授・映像プロデューサー 佐藤一彦
小川町の和紙 川越のさつまいも 水の町草加
「和紙のふるさと 小川町」
「栗よりうまい!?
川越のさつまいも」
「水と生きる町 草加」