教員/研究施設

教員紹介

橋本 和典

現代心理学部 心理学科
現代心理学研究科 臨床心理学専攻
特任准教授

橋本 和典

メッセージ

人災、天災の相次ぐ危機の時代です。大きな世界な揺れは、弱い個や集団にはとてつもなく大きな揺れになり、ストレス・トラウマ反応、抑うつ、さらに嵩じて自死、暴力、虐待、組織機能不全や崩壊を容易にもたらす可能性があります。人間が作ったグローバル社会に、作った人間が押しつぶされるかのごとくです。この時代の深刻な危機に確かに応えられる心の専門家の育成に携わりたいという想いから、この2017年の4月に、本学に着任しました。日常にあふれる危機を否認せず向き合い、タフで創造的な人格変化を扶ける危機介入からの精神分析的心理療法が私の専門です。大学、大学院では、主に、臨床心理士・公認心理師資格のための実習を担当します。資格は、社会的信頼の第一歩として重要ですが、それを超えて、クライエントさんの助けの求めに確かに応えることができ、一生をかけて職人のごとくに技術を磨き、さらに自らの仕事成果を科学的に研究できるタフな臨床家が必要です。その土台づくりを共にやっていければと思います。専門家を目指す皆さんの勇気ある一歩を期待しています。

専門分野

臨床心理学、精神分析的心理療法、集団精神療法、危機介入、精神分析的組織開発学

主要な研究テーマ

私の専門である「精神分析的システムズ心理療法」を技法変数とした、準実験的事例研究法による治療機序研究が主な研究テーマである。困難クライアントの自己破壊性、思春期妄想、コンプレックストラウマの治療機序の解明が最近のテーマである。さらに、「普通」の青年の創造的アイデンティティ発達を促進する心理教育的集団精神療法手法(Adolescent Identity Group)の開発および、それを用いた現代青年の発達機序の解明にも取り組んできた。また、東日本大震災後は、地元企業人との協働で、福島県郡山市に大規模災害PTSDの心理療法トリートメントおよび予防心理教育のためのセンターを立ち上げた。そこで、大災害後中長期のPTSDに対する心理・教育対応のモデル構築およびその成果研究を行っている。

担当科目

心理学文献講読1・2,心理実践実習2(臨床心理実習1),臨床心理実習1・2,心理実践実習1(基礎)

経歴

2000年3月 東京大学大学院教育学研究科総合教育科学教育心理学コース専攻修士課程 修士(教育学)
2003年1月 臨床心理士
2006年4月 全米集団精神療法学会公認集団精神療法師(CGP)
2013年3月 国際基督教大学大学院教育学研究科教育原理・心理学専攻博士後期課程 博士(教育学)
2013年9月 国際基督教大学教養学部准教授(2016年3月まで)
2017年4月 立教大学現代心理学部特任准教授
その他主な職歴

PAS心理教育研究所、同 福島トラウマ心理療法センター、東京大学駒場学生相談所、相州メンタルクリニック中町診療所、立教大学非常勤講師、江戸川大学非常勤講師、品川区教育相談センターなど

臨床訓練歴
1998年3月 PAS心理教育研究所プロフェッショナルスクールSEカウンセリングコース(2年間)修了
2001年3月 同 本科課程(3年間)修了
2003年3月 同 専攻科課程(2年間)修了
主な所属学会
1997年4月 国際力動的心理療法学会 会員(理事:2006年4月~現在まで、事務局長:2009年4月~2016年8月、年次大会会長: 2013年など)
1997年4月 日本集団精神療法学会 会員
1998年4月 日本心理臨床学会 会員
2003年6月 日本精神分析学会 会員
2005年3月 American Group Psychotherapy Association, Clinical Member

主な著作

共著書(分担執筆)
  • 橋本和典・高田毅(2017) 心理療法コミュニティ・ビルディング 日本集団精神療法学会監修 藤信子・西村馨・樋掛忠彦編 『集団精神療法の実践事例30』 創元社 pp.277-295
  • 橋本和典(2010) キャリア・ディベロップメント:産業臨床 小谷英文編 『現代心理療法入門』 PAS心理教育研究所出版部 pp.259-264
  • 橋本和典(2010) 成果:人格障害圏 小谷英文編 現代心理療法入門 PAS心理教育研究所出版部 pp. 225-230
  • 橋本和典・高田毅(2010) 受益者:集団・組織・社会 小谷英文編 現代心理療法入門 PAS心理教育研究所出版部 pp. 71-81
  • 橋本和典・ジェイムス朋子(2010) 心理療法への招待:体験 小谷英文編 現代心理療法入門 PAS心理教育研究所出版部 pp. 35-49
  • 橋本和典(2009) 人格障害の集団精神療法 小谷英文編 グループセラピィの現在-精神疾患集団療法から組織開発タスクフォースまで- 現代のエスプリ504 ぎょうせい pp.123-135
  • 橋本和典他(2009) アイデンティティグループ 小谷英文編 ニューサイコセラピィ-グローバル社会における安全空間の創成 ICU21世紀COEシリーズ第3巻 風行社 pp.225-246
  • 橋本和典(2009) 男性の成熟性-集団同一性から自我同一性の成熟 小谷英文編 ニューサイコセラピィ-グローバル社会における安全空間の創成 ICU21世紀COEシリーズ第3巻 風行社 pp.59-82
  • 橋本和典(2005) アイデンティティ教育(高等教育) 小谷英文編 現代のエスプリ別冊:心の安全空間-家庭・地域・学校・社会 至文堂 pp.149-160
  • 橋本和典(2003) 「同一視」「前エディプス力動」「サブグループ化」「集団同一性」「集団サイズの影響」等13項目 日本集団精神療法学会監修 北西憲二・小谷英文・池淵恵美・磯田雄二郎・武井麻子・西川昌弘・西村馨編 集団精神療法の基礎用語 金剛出版
主な論文(#は査読あり)
  • 橋本和典(2017) メガ災害被災地における集団精神療法 精神療法, 第43巻5号, pp. 675-679
  • 橋本和典・足立智昭・宇佐美しおり・高橋教朗・中島隆博(2017) 日本におけるメガ災害PTSD予防および心理療法トリートメントシステム構築の必要性 国際力動的心理療法学会 IADP提言
  • 橋本和典(2016) 福島復興心理・教育臨床センター―心理療法コミュニティー:郡山モデル 心理臨床の広場, 第8巻2号, pp. 38-39
  • 橋本和典(2016) 福島における心理療法家の課題―震災PTSDの治癒・治療・予防(2016) 危機事態における力動的心理療法(IADP第19回・20回大会論文集), pp. 98-106
  • 橋本和典(2016) 福島における希望の実験―福島復興心理・教育臨床センターの試み 危機事態における力動的心理療法(IADP第19回・20回大会論文集), pp. 112-126
  • 橋本和典(2016) 喪失と較差力動-困難患者と大震災PTSD心理療法の観点から International Journal of Counseling and Psychotherapy, Vol. 12-13 [Combined], pp. 19-26
  • 橋本和典・高田毅(2016) 福島復興心理・教育臨床センターの成果と展望International Journal of Counseling and Psychotherapy, Vol. 12-13 [Combined], pp. 99-111
  • # Kotani, H., Adachi, T., Nishikawa, M., Nakamura, Y., Hige, K., Hashimoto, K., Nishiura, K., Hashimoto, M., Hanai, T., Ishikawa, Y., Sasaki, H., Ogimoto, K. (1999). Struggling with the fourth disaster in East Japan.  Forum: Journal of the International Association for Group Psychotherapy and Group Processes, n. 6, 79-99.
  • 橋本和典・石川与志也(2011) 重度意欲喪失に対するキャンパス・アイデンティティグループ-技法構成と効果性の検討- 東京大学駒場学生相談所紀要, 15号, pp. 4-32
  • # 橋本和典(2011) 青年版集団同一性質問紙(GIS-A)の作成-信頼性・妥当性の検討 教育研究, 第53号, pp. 69-77
  • Hashimoto, K.(2009) Psychoanalytic psychotherapy for contemporary hysteria: A late-adolescent female case of dissociative hysteria with self-destructive problems.  International Journal of Counseling and Psychotherapy, Vol. 12-13 [Combined], pp. 87-97
  • 橋本和典(2008) 倫理と青年期集団精神療法 集団精神療法, 第24巻1号, pp. 30-40
  • 橋本和典・石川与志也(2006) 学生相談におけるキャンパス・アイデンティティグループの試み 東京大学総合文化研究科学生相談所紀要, 10号, 22-24
  • 橋本和典・秋山朋子 「青年期アイデンティティグループ」の効果性の検討-男根性覇気の再内在化過程- 総合保健科学広島大学保健管理センター研究論文集, 19号, pp.27-35
  • 高田毅・橋本和典・栗田七重 現代健常青年の鍵発達機序の同定に向けて-集中青年期アイデンティティグループを用いて International Journal of Counseling and Psychotherapy, Vol. 12-13 [Combined], pp. 87-97
  • # 小谷英文・中村有希・秋山朋子・橋本和典(2001) 青年期アイデンティティグループ-性愛性と攻撃性の分化統合を中核作業とする技法の構成-集団精神療法, 第17巻1号, pp. 27-36
  • # 橋本和典・西川昌弘・河野貴子(1999) E. H. Eriksonの集団同一性概念の治療的仮説構成-青年期集団精神療法における有効性の検討- 集団精神療法, 第15巻1号, pp. 63-72
  • # 橋本和典(1998) コンバインド・セラピーにおけるシステム階層性-アイソモルフィーにみる治療的促進効果- 集団精神療法, 第14巻1号, pp. 67-71
翻訳
  • 橋本和典(2014) 第11章 困難患者 小谷英文監訳 東日本大震災支援合同チーム訳 最新大災害メンタルヘルスガイド 不測の衝撃-危機介入に備えて知っておくべきこと 金剛出版 (Ng, A. (2010). Difficult encounters. Stoddard, F., Kats, C., Merlino, J., & Group of the advancement of psychiatry. (Eds.) Hidden Impact-What you need to know for the next disaster: A practical mental health guide for clinicians. Sadbury, Massachusetts, Jones and Bartlett publishers. pp. 87-93.)

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