映像身体学専攻大学院現代心理学研究科
概要
専攻の特色
現代の社会と文化に顕著な現象の1つは、機械技術による映像の圧倒的な遍在と生身の身体表現への切実な関心とが交錯していることです。このような状況を踏まえて、映像身体学専攻は、人文科学における新しい領域を切り開くことを目的として創設されました。本専攻は、映像と身体の錯綜した関係を重視する観点から、文化の広範な諸問題を探究し、創造的表現の可能性を追求するための学習と研究の場を提供します。映像と身体、芸術と思想、理論と実践、これら3組の関心の緊密な結びつきが本専攻の大きな特色です。
専門領域と研究対象
本専攻の目的を達成するために、教授陣は相互に関連した多様な分野で活躍している学術的研究者と創造的表現者によって構成されています。その専門領域は下記の通りで、アプローチの点では理論・批評系と制作・表現系に、対象の面では映像系と身体系に、それぞれ分けることができます。
◆映像論領域
映像哲学、言語論、映画研究、文化社会学、写真研究、表象文化論
◆身体論領域
現代思想(身体論、芸術論、ジェンダー/セクシュアリティ理論)、臨床精神医学、病跡学、中国身体論、道教研究
◆映像制作領域
デジタルコンテンツ全般の研究、劇映画演出、映像作品演出
◆身体表現領域
戯曲・シナリオ創作、演劇・パフォーマンス研究
本専攻の前期課程の学生はこれら諸領域の多くを選択して学ぶことができます。その学習の成果と各自の研究にもとづいて、最終的には、特定の専攻領域のなかで、あるいは超域的に、テーマを設定し、修士論文(または修了制作)に取り組むことになります。
カリキュラムと指導体制
前期課程は単位制で、講義、演習、修士論文を履修します。講義と演習の科目は「基盤研究」(理論研究)、「制作表現研究」(実践研究)、「プロデュース研究」(芸術制作の運営研究)の3領域からなり、それぞれの専門分野の知識と技術を学びます。学術研究と芸術創造のエキスパートたちが、刺激に満ちた空間で思考と表現の冒険旅行へと誘います。
修士論文は主として担当教員による個別指導でおこないますが、演習科目を始め、構想発表会や中間報告会、研究会など、他の教員から指導や助言を受ける機会も設けられます。
教員の専攻領域や担当科目、活動と実績などは、各教員の紹介ページをご覧ください。
教育研究の環境整備
本専攻の目的を達成するための教育研究環境も整備されています。施設や機材の面では、4Kプロジェクターも備えた映画館タイプの教室、身体表現ワークショップや上演が可能な多目的シアター・タイプの教室、そのほか、モーション・キャプチャなどの最先端映像機器をそろえています。
また、専攻の教育と研究を促進するために、年刊の紀要『立教映像身体学研究』を刊行しています。
人材育成と進路
本専攻の専門領域とカリキュラムは、育成しようとする人材と前期課程修了後の進路として、大まかに次の3つを想定しています。
まず、人文科学の諸分野における新たな研究と教育の担い手、つまり学術研究者です。この場合は後期課程に進学し、さらに研鑽を積んで博士の学位取得をめざすことになります。次に、創造的表現の主体、つまり映像作家や舞台のアーチストなどです。第三に、広範な文化活動の組織や運営を担う多様な専門職、すなわち、批評家、編集者、プロデューサー、キュレーターなどです。これらの場合、後期課程での研究を経てから、それぞれの領域に進むこともありうるでしょう。
前期課程授業科目
1. 基盤研究系科目 | 映像身体学原論(必修) | 2単位 |
映像身体学研究法(必修) | 2単位 | |
映像身体学特殊研究1~7 | 各2単位 | |
映像身体学特殊演習1~7 | 各2単位 | |
2. 制作・表現系科目 | 身体論ワークショップ1~6 | 各2単位 |
映像論ワークショップ1~5 | 各2単位 | |
3. プロデュース系科目 | 舞台制作プロデュース論演習 | 2単位 |
映像制作プロデュース論演習 | 2単位 | |
アート・マネジメント論演習 | 2単位 | |
映像機器・施設ワークショップ | 2単位 | |
4. 研究指導科目 | 修士論文指導演習1・2(必修) | 各2単位 |
修士論文(必修) | ||
修了に必要な単位 |
進路
放送・広告 | G.D.inc.、アップリンク |
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サービス | 博報堂プロダクツ、セコム |
情報 | ティー・アンド・シー、プレシディオ |
教育 | 立教大学(講師)、日本女子大学 |
卸・小売 | 大浜商事 |
FAQ
心理学専攻の入試、その他の入試情報については以下をご覧ください。
学費については以下をご覧ください。
奨学金については以下をご覧ください。
映像身体学専攻では学芸員・社会教育主事・司書の資格を取得できます。